あらすじ
2005年から2006年に欠けて約一年間、ブログに乗せた56句を
新春から師走までの順で、編集補筆しました。
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「四季俳句」
はじめに
平成十七年から十八年に欠けて約一年間、ブログに乗せた56句を
新春から師走までの順に編集補筆しました。
冬初め
冬初め川霧染めし日の出かな
芝川は連日陽の出時川霧が立ち込めているが、今朝の川霧は川一面に広がり日が昇るにつれて黄金色に染まっていく。
冬菜
日の出て冬菜目に沁む畦散歩
霜にもめげず白菜が日の出とともに鮮やかな緑色に。
屠蘇
屠蘇注ぐや吾妻娘に感謝して
去年も我が家で過ごしたのは半分以下。放浪癖は治りそうにない。せめて今朝は感謝の意を込めてまずは家族に。
冬の朝
吾もまた静かなりけり冬の朝
連日寒い朝が続いている。鳥たちの賑やかな囀りはなく早起きだった吾もまた朝寝坊が続いている。
水鳥
水鳥の川面川辺を賑やかし
いつの間にか見沼の芝川は色取り取りの鳥たちが増え群れをなして賑やかだ。
冬の畠
富士拝む老夫婦あり冬の畠
日の出を拝んで冬野散歩の帰り道。老夫婦が手を合わせて北西に向かって拝んでいた。
んっ、とその方向を見たら往きはまだ見えなかった富士山がくっきりと朝日に照らされた勇姿を見せていた。朝飯前の野良仕事が終わったのだろうか、それともこれからだろうか。冬の峻厳な早朝は誰しもが自然の何ものにも神さまを感じるものだ。
稲架木
息白し冬田の稲架木凛として
見沼田圃も昔は稲架木(はさぎ)がたくさんあったらしいが今は二、三ヶ所に僅かに残るのみ。今朝はやたら寒く畦道も霜が降り吐く息も真っ白。そんな中、稲架木が朝日を浴びながらも凛と立っていた。
梅一輪
梅一輪漸く見つけ梅見茶屋
春を見つけに梅園へ。まだまだピンク色になったとはいえ蕾ばかり。漸くたった一輪青空に向かって誇らしく咲いている梅の花を見つけ、満足。すぐそばの茶屋で団子ならぬ餅を食しました。
初雪
漸くの筑後初雪春立ちぬ
さいたまから九州筑後に帰省、漸くの初雪に出会ったが暦では早くも春。今年はまともな雪景色になかなかお目にかかれない。
神楽
神楽舞ふ幼き巫女の足運び
端神楽を舞う幼い巫女さん。可愛い舞い姿以上に楚楚とした足運びに目が行ってしまう。
春昼
春昼や苑を賑わす園児たち
春うらら。市民の森の芝生で昼ねしていたら、園児たちの弁当囲んでの賑やかな声が聞こえてきた。
霞
摩天楼霞みて遠し風温し
散歩時、いつもは近くに見える摩天楼。今朝は霞がかかり随分遠くに見える。頬を撫でる温い風が心地よい。
風塵
風塵にめげずゴーグルはめ散歩
春霞みなんてものではない、春の嵐に12年ぶりの風塵。風にも塵にも負けず、そして草芽花にも芽の花有美にもめげずの春散歩。
(注:草芽花=くさめ鼻、芽の花有美=眼の痒み:花粉症)
つくし
土筆好き愛でて酒菜に筑紫人
土筆が花粉症に効くと知りせっせと食しているが効用はさっぱり。最近はもっぱら手頃な酒菜として土筆採りに精出すこの頃(筑紫人)
花菜
宝塔と花菜お迎え武蔵町
前々から行きたかった石仏石塔の国東半島。武蔵町は昔懐かしい里山景色。宝塔(国東塔)と菜の花が迎えてくれた。
桜
川霧に霞む菜の花桜かな
今朝は高良川は一面の霧が発生。昼間は絢爛に咲き誇る菜の花。桜が霞んで見えた。
桜
散り花の逆さ桜に近づけり
久留米の「浅井の一本桜」がまさに見頃を迎えている。先に沼に散った花びらがまだ残って咲いていたいと言いたげに水面に映った逆さ桜木に寄り添って見えた。
桜
春爛漫花菜さくらで彩川原
ただただ感激。日本の春はやはり菜の花と桜の彩りが何よりも美しい。
花吹雪
花吹雪舞い下り流る用水路
風に散り筏となって流れる桜の花も又格別の風情がある。
春耕
耕して腰掛け語る春の作
毎度の見沼田圃早朝散歩。何と耕したばかりの畠の脇に椅子が4つ。農人はここに座って何を語り合ったのだろうか。
久留米つつじ
桜散りお待たせつつじよか久留米
1週間前に桜を満喫して離郷したばかりだが、今ふる里久留米はつつじの花盛りとの知らせ。ほんに久留米はよかですね。
つばめ
よこたてにつばめ切る空よな曇り
夕方散歩していると空が賑やか。早くも飛来したつばめたちがどんよりした夕空を横に縦に切っていた。
新緑
新緑の増すごと募る旅の空
日に日に深まる若葉の緑のように、我が旅心も募るこの頃です。
新緑
里山はどこまでも青恵那の旅
夢だったⅠさんとのスケッチの旅が実現、五月晴れの恵那の山田は青々とした緑一色でした。
(Ⅰさん、案内だけでなくスケッチ指導までして頂き有難うございました)
五月晴れ
五月晴れ吾が友師なり絵描き旅
名古屋新心友に続いて京都の20年来の旧心友とも又スケッチ。両人とも吾が素晴らしき絵の師である。
緑陰
緑陰に開きし画帳毛虫這ひ
先日の旅での出来事。陽射しを避けて桜の木の下でスケッチを開始したその時。さざめく天女ならぬ、なんと毛虫君がスーっと画帳の真ん中に降りてきて這いはじめました。
青葉
色色と混ぜても出せぬ青葉かな
野外は何処も彼処も青葉青山。その色に惹かれ描くのだが一向に自然の色には近づかない。
青葉
岩苔の負けじと青し菊池峡
名古屋からの足で九州帰省。まだ行ったことのない菊池峡谷、秋の紅葉が有名だが思い切ってスケッチドライブ゙に。紅葉は青葉、そして渓流の岩苔は実に鮮やかなショッキンググリーンだった。
紫陽花
描く筆の薮蚊払いぬあじさい路
紫陽花の咲く参道石段脇に腰掛けスケッチ開始。笹薮から早速の薮蚊到来。描くより先に薮蚊退治と相成った。
青葉
模写しても塗り癖直らずボタ青葉
青葉万緑の候、野外スケッチは緑系色をいかに描くが問題。プロ諸師の絵を模写しても模写にならず、相変わらず自分の緑は汚くボタ塗りになってしまう。
緑
模写重ね創作挑むもボタ青葉
模写を繰り返しボタ塗り脱皮を図るのだがやっぱり自作はあいも変わらずボタ塗り青葉になってしまう。
緑
芝川や河岸工事で緑なし
青々繁ってていいはずの芝川川原はいま河岸工事の真っ最中。起重機同士が川を挟んで唸りをあげる様はまるで怪獣の決闘シーン。川岸の緑は縮こまり今にも無くなりそう。
睡蓮
睡蓮のお出迎えけりみぬま池
曇天も又良しと近くの見沼自然公園にスケッチに。先客が熱心に睡蓮を描いていた。思わぬ睡蓮のお出迎えだけでなく暫し先客とスケッチ談義を楽しんだ。
稲架木
無用とて木陰つくりぬ稲架木かな
本来の役目はいまやなくなった稲架木。冬は寒々とした裸木だったが夏到来の今、しっかり農人に緑陰を提供して役に立っている。
京の夏
絵仲間の友情熱し京の夏
京の夏は堪らなく蒸し暑い。我が絵仲間二人の友情はそれ以上に熱かった。7月上旬の3泊4日の京都スケッチ旅行は生涯忘れないだろう。
蝉しぐれ
腕白な幼き頃へ蝉しぐれ
夏の蝉しぐれや入道雲を見ると決まってガキのころを思い出します。
精霊馬
格好の胡瓜をもぎて精霊馬
ひぐらし
会話とめひぐらしの声送りけり
夕暮れ散歩時、久し振りにお袋に電話。お盆に帰らなかったこと詫びてたら蜩の声が。
かぼちゃ
丸々と目方増しけり吊り南瓜
夏の入り口に見つけた畦木に蔓が絡まりぶら下がっていた小さな南瓜。秋めく今や、丸々太ってちぎれ落ちそう。朝夕の散歩時益々愛おしくなる気になる南瓜である。
烏瓜
またひとつ秋見つけたりからすうり
夏はレース状の花で楽しませてくれた烏瓜がウリ坊というよりも可愛いらしいぽっちゃり西瓜みたいな実をぶら下げていた。
また一つ秋を見つけた嬉しい朝の散歩。
秋の蝉
仰のけの蝉返すやいなや鳴き去りぬ
昨日、朝早く散歩に出かける団地階段踊り場に仰向けにひっくり返った油蝉が。身動き一つしないので死んでるのかなとそっと返してやるとひと鳴きして飛び去った。
今朝もまた同じことが。二日続けて秋の蝉と心を通わせた。
向日葵
うな垂れし向日葵に向き最敬礼
夏のシンボル向日葵もたくさんの実を生らしボチボチ枯れ始めだした。今朝見つけたでっかい向日葵は枯れた頭を深く垂れていた。
思わずこちらも最敬礼!この暑いひと夏、本当にご苦労様でした。
虫の音
雨音に虫の音重なり長湯かな
秋の夜雨の中、集く虫の音が心地よい。普段はさっさと上がるのに今夜はすっかり長風呂してしまった。
桜紅葉
空高く紅櫨ちらほ山路かな
秋の空は高~い。鰯雲走る天空キャンパス下片隅にはや真っ赤に染まったはぜの葉をちらほら見つけました。
烏瓜
からすうり見せたく家族誘い出し
いつもの散歩コースの烏うりが大小様々、色様々である。久し振りに家族全員が揃ったのでそれらを見せたく夕食前の散歩に誘い出した。
からすうり
それぞれのいろかたちありからすうり
あの時のカラスウリ、ほっておいたら益々それぞれが個性豊かなカラスウリに変身していた。
紅葉
筑後川紅葉始まるさくら道
春見事だった筑後川の桜並木、はや何枚か紅葉し始めた。帰京を前に名残り惜しい。
彼岸花
石垣の棚田彩どる彼岸花
取り入れ後の棚田も、石垣畦に一斉に咲いた彼岸花で美しい段々模様に。
秋の蝶
蕎麦の花訪ひ回りけり秋の蝶
紋白蝶が蕎麦の花を求めて舞い踊ってました。蕎麦畑の畦にはコスモス、そして彼岸花。そよ風受けての秋の早朝田園散歩は心地いい。
竹燈明
白壁を背に竹燈明の灯の揺らぎ
楓(かえで)
紅楓拾ひ掌重ねけり
烏瓜
ぶっ千切りてのひら二つ烏瓜
秋の雉子
漱石の句碑訪ふ山道秋の雉子
枯葉
プラタナス吾が目の前にカサと落ち
風もなく車も通らない秋の夕べの街路の散歩時。落ち葉が地面に落ちた瞬間、カサッと枯れた音がした。
枯葉
枯れ葉踏み語らい向かう美術館
メトロポリタン美術館に向かう道すがら、セントラルパークのぎっしり重なった落ち葉を踏む音に冬の訪れを感じた。
忘年会
この年は忘れたく無し祝い酒
今年はよくもまあ、あちこち出かけたものだ。楽しい思い出ばかり。わが身の無事と出会いの人々に感謝しつつ。